JEN CITY

Case11:学食にて

僕は大学に入ってから、
毎日ふらふらと過ごしている。
最近はほとんど学校にも行っていない。
家でぼーっとしてるだけ。

さすがの僕も何かしないとな、と思い始めた。
そこでアルバイトを始めることにする。
だが、もともとやる気のない僕には
バイト探しがとても面倒臭いものだった。

数日後、
僕は学食で昼ごはんを食べていた。
まだ1時前だというのに店内はガラ空きだ。
枯れた教授が一人アイスコーヒーを飲んでるだけ。

食堂を出ると、改めて店の外観を眺めてみた。
普通だ。
と、
一枚の張り紙が目にとまった。

アルバイト募集!
うん、なかなかいいかもしれない。
ん?

中川または鈴木…
何故だか僕は冷や汗が流れるのを感じた。
手が微妙に震えている。
これってもしかして…

JEN CITY...?

恐る恐るガラス戸の中をのぞく。
教授の姿しか見当たらない。
僕は大きくかぶりを振ると、
足早にその場を去ったのだった。

翌日、
食堂の前を通ってみたら、
アルバイト募集の貼り紙はなくなっていた。

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