Case3:音楽室にて
夜の学校に侵入した。
昼間とは違ってずいぶん広く感じる。
窓から差し込む光が薄気味悪い。
僕は興奮していた。
怖がる友達を誘い、音楽室へ向かう。
怪談話の聞きすぎか、友達は音楽室に入るのを強く拒んだ。
仕方なくひとりで入る。
バッハはいつもどおりの顔してる。
グランドピアノも静かだ。
なんだ、たいしたことないじゃん。
その時だった。
ピィ~パピーペーポペーポ~♪
倉庫からハーモニカの音が聞こえてきた。
背中に寒気が走る。
しかし、その音色はとても心地良い。
ピィ~パピーペーポペーポ~♪
ミスチルの「独り言」?
僕は恐る恐る倉庫に近寄る。
そして思いっきり扉を開けた。
バンッ!
するとハーモニカは止んだ。
床に転がる小さなケース。
ハーモニカだ!
手にとって見ると、
そこに刻まれていたのは、、、
SUZUKI!
こ、これってもしかして、、
昔、おばあちゃんが言ってたやつなのか!?
JEN CITY,,,
僕は急に怖くなり、
体の震えを抑えることができなかった。
う、う、うわぁ~!!!!
そして叫び声をあげて
教室を飛び出したのだった。